お茶席の所作

正しい座り方
着物で正座する時は、両膝の間に握りこぶしひとつ分くらい開けて
胸をなるべく張って座りましょう。
洋服の時も、両膝の力を抜いて軽くつけ、胸は張るようにします。
足は親指だけを軽く重ね、しびれてきたら交互に入れ替えます。
両手は両膝の上で軽く組みます。
正座は慣れれば自然と長時間しびれないで座れるようになります。

おじぎの仕方
両手を指3~4本分開けて膝前につきます。
頭を30度位下げて腰から上の上体を自然に前に倒し、
丁寧におじぎします。
一瞬止めて、おもむろに頭を上げます。
何よりも大切なのは、相手を敬う気持ちを持って
心のこもったおじぎをするということです。

歩き方
畳半畳(短い側)を三歩で歩く位の歩幅で
かかとは上げず、ややすり足で歩きます。
畳のヘリや敷居は踏んではいけません。
立って入室する時は、必ず左足から入ります。

立ち上がり方
両手をそれぞれ両膝頭にあてて、腰を浮かせて
ゆっくりと身体が揺れないように注意して立ち上がります。
立ち上がった時、両足がそろっているようにしましょう。

ふすまの開け方・閉め方
ふすまは引き手に近い方の手で三分の二くらい開け、
残りの三分の一は反対の手で押して開けきります。
閉める時も引き手に近い方の手で三分の二くらい閉め、
残りの三分の一は反対側の手で閉めます。
ただし、閉めるふすまが外側(身体から遠い方)の時は
手をかけるのは外側(ふすまの向こう側)の引き手です。

お茶席への入り方
次の間か廊下から茶席に入る時は、
ふすまが開いていても開いていなくても
一端敷居の前に座り、膝前に扇子を横におき、
(ふすまが開いていないときは上の要領で開けて、)
軽く一礼して、扇子を前に進め、両手を畳について、
軽くにじって腰を浮かせるようにして入ります。
茶席に入ったら、扇子を右手に持って立ち上がります。
お詰(最後のお客様)は上記の要領でふすまを閉めます。

お茶席用扇子

掛物など床の拝見
茶席に入ったらまず床前に進み、床正面に座り、
扇子を膝前において一礼し、両手を前についたまま
掛物=掛軸を拝見します。
花入れが掛物の前にある時は、そのまま続いて花入れを拝見します。
床柱に花入れがかかっている場合は、そのほうに向き直って、
花と花入れを拝見し、もう一度床の掛物の前に向き直って、
軽く一礼して立ち上がります。

お道具の拝見
続いて茶道口(お点前をされる方の入り口)の前へ行って
道具畳(お点前の道具が置かれている畳)へ進み
風炉の場合は、風炉釜の前に座り、
扇子を膝前において両手を前についたまま
釜や炭の様子、風炉先、棚があれば棚や飾ってある水指や茶器などを
よく拝見します。
炉の場合は、最初に炉正面へ向いて座り、
扇子を膝前において両手を前についたまま
釜や炉中の様子、炉縁などを拝見し、
棚前に向き直って、棚や飾ってある水指や茶器などをよく拝見します。
道具畳での拝見にはおじぎはいりません。
必ず、扇子を膝前において、両手を畳について拝見してください。
拝見が終わりましたら、扇子を持って立ち上がり、
茶道口の前に戻って、自分の席につきます。

拝見の時の注意事項
客畳から道具畳に入る時と道具畳から客畳へ出る時は、
必ず茶道口の畳の角(炉がきられている畳の炉と反対側の角)を通ります。

拝見に進む場合は、正客に一礼してから床前へ進み、
道具畳へは一人ずづ入ります。

次の客の拝見に邪魔になる場合や自分の席が入り口付近の場合は、
一時邪魔にならないところに仮に座って後から自分の席につきます。
客の座る位置 正客は床の近くの上座に、お詰は床から遠い方に座ります。

席についてからの扇子の扱い
扇子は亭主に挨拶するまでは、右ひざ脇に置いておきます。
亭主に挨拶する時は膝前に出して挨拶します。
挨拶が済んだら自分の後ろ側に置いておきます。
この時、正客は扇子の先が次客のほうへ向くように置き、
次客以下は先が正客の方へ向くように置きます。

お菓子の取り方・頂き方
主菓子器が自分の前に運ばれた場合は、出された時に一礼します。
続いて同じ人が干菓子器を持ってきた場合はそのまま、
違う人が持ってきた場合はもう一度一礼します。
干菓子器は、主菓子器の左側に出されますから、
主菓子器の右側に移動しておきます。(干菓子器の無い場合もあります。)
亭主からお菓子をどうぞと言われましたら、
正客からでは皆さんご一緒にと(多分)声がかかりますから、
まず、上座に客がいる場合は、上座の客にお先にと一礼して声をかけ、
下座よりに菓子器を少し動かして下座の客にお先にと一礼して膝前に戻します。
続いて、菓子器を軽くおしいただいて、へり外に置き、
亭主にお菓子を頂きますと挨拶します。
懐紙を取り出して、紙のわな(折り目)が手前になるようにし、
一番外側の懐紙を上に折り返しひざ前に置きます。
菓子器に蓋のある場合は、一端箸(黒文字)を自分の懐紙の上に置き、
蓋を取り、内外をよく拝見し、蓋の内側に書付がある場合は、あおむけて
無い場合はうつむけて菓子器の右横やや向こう側に置き、
箸で菓子を懐紙の上に取り、箸先を懐紙で拭って置き、
蓋をして、箸を蓋の上に戻し、次の客に菓子器を送ります。
お菓子を取るときは、なるべく隅から取り、
残りのお菓子の姿の良いようにしておきます。
最初の人は、右手前から取るようにしましよう。
続いて、干菓子器を軽くおしいただいて、へり外に置き、
亭主に続いていただきますと挨拶し、手で懐紙の上に取り、
干菓子器も次の客に送ります。
この時二種類の干菓子がある時は、向こう側に置かれたものを取り、
次に手前のものを取ります。一種類の時は手前から取ります。
お菓子は自分のお茶が立てて出されるまでに食べ終わっておきます。
この時の主菓子は一服目のお茶のために、
干菓子は二服目のお茶のために出されるものですが、
一服しか頂かない時は主菓子に続いてお干菓子も頂いてかまいません。
二服目のために干菓子を後で頂く場合は、主菓子を頂いた後、
干菓子を懐紙の上に残し、ひざ脇へ置いていきます。
食べずに持ってかえる場合は、
懐紙に包んで着物の袂や懐紙ばさみに入れて置きます。

懐紙と菓子きり  
懐紙ばさみ

菓子器の返し方
菓子器が角型の場合は、菓子器を両手で取り上げ、
右手を向こう側の角に進め、左手を手前側の角に引き、
時計回しに四分の一まわし、同じようにしてもう四分の一まわします。
これで、菓子器は反対側に向きましたから、右手を真ん中にすすめ、
続いて左手を真ん中にひき、へり外に置いておきます。
菓子器が丸型の場合は、両手で取り上げたら、
右手を手前正面に引き、左手を向こう側正面に進め、
時計と反対回りに四分の一まわし、同じようにしてもう四分の一まわします。
菓子器は反対側に向きましたからへり外において置きます。
出されたときに菓子器の正面が客の方を向くように出されますから、
返す時は反対に正面を返す人に向けて返すのが基本です。
菓子器を下げにきた人に軽く一礼して、菓子器を返します。

お薄茶の頂き方
ここでは、薄茶を客前まで運んでくれる場合を説明します。
お菓子と同様にお茶が前まで運ばれましたら、軽く一礼します。
お茶碗を右手で取って、左手を添え、上座に客がいる場合は、
上座の客との間のヘリの中にお茶碗を右手で置き、両手をついて軽く頭を下げ
お続きいかがでございますかとお尋ねします。
充分足りてございますとお返事が(多分)ありましたら、
お茶碗を右手で取り、左手を添えて、下座に客がいる場合は、
下座の客との間のへりの中にお茶碗を右手で置き、
両手をついて軽く頭を下げ、お先に頂きますと挨拶し、
再度お茶碗を右手で取り、左手を添え、自分の前まで持ってきます。
膝前へりの中に右手で茶碗を置き、両手をついて軽く頭をを下げ
亭主に頂戴いたしますと挨拶します。
お茶碗を右手で取り上げ、軽くおしいただいて、
お茶碗の右横が手前になるように手前に二回時計回りにまわします。
(一回は丁度お茶碗の八分の一回転になります。)
両手でしっかりお茶碗を持ってゆっくりと三口半で飲みきります。
飲み終わりましたら、右手の指先で飲み口を一度左から右へ拭いて、
その指先は、懐紙でぬぐい、お茶碗の飲み口が元の右横になるように
時計と反対回しに二回まわし、膝前に置きます。
両手をついて薄茶をいただいたお茶碗の全体の姿を拝見し、
次に両手でお茶碗を取り、お茶碗の外側を回して一通り見て、
内側や高台(裏側)も拝見します。
再び膝前に置き両手をついて全体を拝見し、
右手で取り上げ、お茶碗の正面が向こう側になるように、
八分の一ずつ二回時計と反対回りにまわしてへりの外に置きます。
お茶碗を下げにきた方には軽く一礼します。

お茶碗の正面は、絵がある場合は絵のついている方が、
絵のない時は出されたときに自分の方を向いている側が正面です。
拝見する時は、お茶碗は高く上げてはいけません。
必ず、畳の近くで自分が近づいて拝見します。
もし、いただき方が悪く、残ったお茶で畳が汚れそうな時は、
懐紙で軽くお茶碗の内側をぬぐってもかまいません。
大事なことは、粗相の無いようにお茶碗を大切に扱うということです。

お点前をする方に対しての総礼
お点前をする方が出てこられて、蓋置を持って居前に回り、
柄杓が蓋置に置かれたら、点前をする方が一礼されますので、
その時は全員で総礼します。
また、最後に正客がどうぞおしまい下さいと挨拶をされましたら、
お点前をされた方は、お茶碗を膝前におき、
おしまいにいたしますと挨拶をされますので、この時も全員で総礼します。

客の心構え
茶道は、心遣いの道です。
釜をかけて(=お茶会を開くという意味)、客を招くためには、たくさんの苦労があります。
たとえ作法がつたなくとも、客をもてなすために万事に苦心する亭主の心になって、もてなしを受けるということが、一番大事なことです。
茶道には様々な流派があります。
各流派によって作法は少しづつ異なります。
このページは、こねこがお稽古している表千家の作法を書いています。
しかしながら、もてなす心、もてなしを受ける心は同じです。
作法や流儀にこだわらず、一度お近くの月釜などにお出かけください。
新しい発見があるかも知れません。

参考資料  新編 表千家茶の湯 十三代家元 即中斎 千 宗佐著  主婦の友社

真塗りの大板と長水指、阿古陀の茶入れ

風炉の最後の月である神無月(十月)は、少しずつ冷えてくる頃ですので、
お客様に寒さを感じさせないように長水指を正客より離れた場所(風炉先)に置きます。
大板とは風炉をのせる少し大ぶりの正方形の板のことで、
真塗りとは、木目が見えないように黒く塗りを施したものです。
木目が見えるように黒く塗った掻合せ塗りのものもあります。
阿古陀の茶入れの阿古陀とはウリのことで、蓋は象牙や桑の木で作られます。
写真のものは桑の木製です。
真塗りの大板と長水指
阿古陀の茶入れ

旅だんす

豊臣秀吉が、小田原征伐の時、利休が陣中に、特にこれを好んでたずさえたと伝えられています。
桐木地の作りで蓋(写真旅たんすの左側)をあけると中に二段の棚があります。
地板に水指、そのすぐ上の棚に茶器を飾り、一番上の棚の左には柄杓をかける切込みがあり、蓋置きは柄杓の真下の地板に置きます。茶器を飾っている棚にお茶碗も飾って総飾りにする場合もあり、野点に用いられたりします。
水指のすぐ上の棚板を茶器・茶筅を置く場所に取り出す芝点(しばだて)と呼ばれるやり方もあります。
旅だんす初飾り旅だんす置き合わせ

網代模様の尻張り型のつり釜です。つり釜も季節もので、四月頃に使います。
柄杓を引いてある蓋置きは、五徳の形になっています。
つり釜のときは、五徳を使わないので、合せてこれを使用します。
つり釜

茶通箱

茶通箱は、お客様が「お茶」を持って来てくださったときに、亭主の準備したお茶と戴いたお茶を
この桐の箱に入れ、2種類のお濃茶をお客様にお出しするお手前です。
写真の向かって上側には、緞子の荒磯模様のお仕服に入った棗(濃茶器扱い)、
手前側には、タツムラ織物のお仕服に入った膳所(ぜぜ)焼きの濃茶器が入っています。
お仕服の打留が箱の内側になるようにお箱に入れます。
ふたの開け閉めやお箱の回し方など茶通箱独特の扱い方があります。
茶通箱開けた茶通箱

釣瓶の水指
釣瓶の水指

長板 炉初飾り

長板は台子(だいす)の地板を型どったもので、真塗り(黒塗り)の利休型で大小二種あります。
また、この他に桐木地のものや青漆爪紅(青漆で塗って縁を朱色に塗ったもの・セイシツツマグレ)などがあります。
台子でも長板でも、大は風炉用、小は炉用に使います。
長板炉の初飾りは、右に水指、左向こうに置いた杓立に飾り火箸と柄杓を立てて飾り、その手前にこぼし(建水)を飾ります。
こぼしの中には蓋置きを入れて置きます。

台子(だいす)とは、四畳半以上のお茶室で使われる棚物で、その中でも黒塗りの四本柱の真の台子がすべての棚物の基本になっています。

長板炉初飾り

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