生け花豆知識 [ 葉組 ]






葉組は、出生の特性を生かしながら、一旦葉を外し、組み整え直し、
基本的に三才格の体・用・留の役枝の姿形を葉で仕立て生け表すことをいいます。
アヤメ科の葉組みには、燕子花を代表とする「中低の葉組」と、
花菖蒲を代表とする「中高の葉組」があります。いちはつは、「中低の葉組」です。
花も一季咲きのものには、葉よりも花を低くいける「初花の生け方」、
葉も花も豊かにいける「中花の生け方」、花を葉より高く扱う「晩花の生け方」があります。
花の数、葉の枚数、葉の表裏、体・用・留の葉の組み方には、それぞれ伝書による教えがあります。
花菖蒲は、その出生を生かして、中高に葉を組みます。
用は、用の葉3枚組手前側(裏)、用の花、用の添え葉2枚組後ろ側(表)
体は、体の前添えの葉2枚組手前側(裏)、体の花、体の葉3枚組(表)後ろ側
留は、留の葉5枚組手前側(裏)、留の花、奥行の葉2枚組後ろ側(表)
と入れます。
花の右横の3枚の葉は水切葉と言い、変化のある構成にするため、
2枚組や3枚組またその組み合わせで水盤の大きさ等にあわせて入れます。



燕子花は出生に従い、中葉(=中央の葉)を低く『中低』に組みます。
一季咲きの燕子花は
初花(一番低い中低の葉と同じ位の高さ)
中花(2番目に高い葉と同じ位の高さ)
晩花(一番高い葉の上に出る位の高さ)
に分けて季節を表現します。
左側水盤(七曲・体の添え流し)
用に3枚組(裏)1株を入れ、次に体前添えに2枚組み(裏)1株を入れ、
体の花を入れ、体の3枚組(表)1株を入れ、曲をつけた体添えの2枚組(表)1株を入れます。
一番前側に水切葉2枚を入れ、留の3枚組(裏)を入れ、留の花を入れます。
そして最後に体添えの後ろ側に控えの葉2枚組(表)を入れます。
花は2花で、葉は7株(17葉)になります。
右側寄せ筒(三管筒・主位)
一番背の高い一の筒は横姿で、
用3枚組(裏)、用の花、用の前囲い2枚組(裏)、体3枚組み(表)、留5枚組(裏)、留の花の2花13葉。
二番目の高さの二の筒には縦姿で、
用3枚組み(裏)、用の前囲い2枚組み(裏)、体の前添え2枚組み(裏)、体の花、体3枚組み(表)、
体の後添え2枚組み(表)、留5枚組(裏)、留の花の2花17葉。
背の低い三の筒には水切葉3枚を生けています。




日本三大祭の一つ、祇園祭にも縁のあるところから、
京都では祇園祭にちなみ、邪気を払ってくれる言祝ぎ(ことほぎ)の花として
愛用されています。
桧扇は和名で、葉の並び方が、昔の貴族が携えていた桧扇を開いた形に
似ているところから名付けられました。
[ 葉と花の表裏 ]
扇状に広がる葉の表裏が見分けやすい場合と、
上部が裏で下部が表になったり、
或いはその逆になったりして、見分けにくい場合があります。
そんな時は、頂の花の裏表をよく見定めて、葉の裏表を決めます。
裏面が見えすぎている場合などは、表葉を挿し添えていけることもあります。
[ 全体の仕立て方 ]
「軸付葉物十二種挿方の心得十二ヶ条」に、
「桧扇の挿方は始三枚葉を組入る。尤も中葉長し、
夫より花を体用留と入れ又葉を二枚入る。
是三花五葉の平組なり」とありますので、この扱いに従い、
花で体、用、留の格先を取って、用に3枚組みの中高の葉、
留に2枚組みの葉を用い、それぞれの出生順に従って葉を組み入れます。
今回は花が五本ありましたので、体、用、留の他、
体の前添えと控にも花を入れてあります。
「平組」のほか「角組」という仕立て方もあります。



常緑の葉が美しい万年青は、昔から寿の花材として尊ばれてきました。
四季を通じてそれぞれの生け方があり、
秋の青い実の時期は、留・風囲い・砂囲い・用・燕口(2枚)・体・露受け葉・実囲いの九葉で
生けあげます。
燕口は、葉先の細い真っ直ぐなものを選んで、程よく高低をつけ、葉を巻き込んで仕立てて置きます。
「青い実の時」の「三役の葉」は、露受け・風囲い・実囲いです。
また、砂囲いの葉で実が隠れないように注意します。
万年青の『七五三の伝』は『赤い実の時』とともに祝儀花として好まれています。
縦姿7枚、横姿5枚、その中間に『実囲い』の3枚を入れます。
縦姿(主位)は手前から、留、風囲い、用、体の向かい葉、体、
霜囲い、実、実囲いと入れます。
横姿(客位)は留、実、用の前囲い、用、体、控と入れます。
縦姿と横姿の間の3枚は新芽の扱いとし、低く小さくいけ、全体の調和の中で
主位か客位かを決めます。


一花四葉を一元(ひともと)として、体・用・留の格をとり三元で仕立てます。
花は葉より低く扱って初花の生け方とします。
水仙は袴(球根上部の白根)の部分を外し、葉のねじれをしっかりと直し、
四葉を背比べにならないよう葉をくんで中に花を入れ、もう一度袴をはかせて
体用留として美しく振り出すようためて生けあげます。
三元
一花四葉を一元として体・用・留をそれぞれに仕立て、三才格を生けます。
二元
一花四葉で体と用を入れ、花は体の花として仕立て、さらに留と留添、留の花を一元に組み二元で三才格を表します。

短五管に末広でいけました。
一の筒 客位の中縦姿
二の筒 客位の横姿
三の筒 主位の縦姿
四の筒 主位の縦姿用流し
五の筒 主位の中横姿
葉蘭











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